2014-05-07

ROLL②-花田雄貴と楽曲解説②

結成当初のカミイショータグループは概ね好評でしたが、僕は人に褒められたりしてもあまり心が動かない性質というか、食事以外で満足したりすることがあまりないので、へんに自分を卑下する必要もなくのほほんとバンド活動を続けていたわけですが、それ以降、当時ドラムを叩いていたなる君と、キーボードを弾いていた野兎が立て続けに辞めてしまうというビッグイベントが起こります。
メンバーの半分がいなくなるわけですから、早いところ新しいメンバーを見つけないとライブもできないし、これからバンドで音源も作ろうと思っていた矢先でしたので、ああーどうしよっかなーと言った感じでした。
ソロのライブでアンダースローバレリーナというバンドと共演した縁で、ドラムを探している時に僕に連絡をくれたのが、当時アンダースローでドラム、現在カミイグループとslumberlandでドラムを叩いている花田という男。今日は彼の数多くの伝説について語っていきたいと思います。

「まずは会いましょう!」となった僕ら、新宿は東口で待ち合わせ、僕と原田と花田で西口の方にあるラーメン屋で三人でラーメンを食べながら、まあもうとりあえずドラムはやってもらうこと前提だったので、なんの話をしていたのかなんてさっぱり覚えてないんだけれど、なんかね、スカしてる感じというか、哲学かぶれた雰囲気してんなこいつと思ったら本当に大学で哲学やってたり、多分こいつは今までの人生でいじめられたりイジられて恥かいたりしたことないんだろうなって思った。ラーメンをすする花田の顔はなんだかニーチェみたいに間抜けだった。
ドラム見つけたけど3人でライブするのもなんだかなと思った僕らは、再度野兎さんにサポートとしてバンドを継続してもらえるよう土下座し、とりあえずその時点で決まっているライブは4人で消化することが可能となった。

アンダースローバレリーナは昔から知っているバンドだったので、彼のドラムの実力は知っていたが、何より問題視していたのが、おそらくこれまでの人生で大きな挫折、大きなイジメ、大恥をかくようなイジリに出くわしたことのないであろう温室育ちの人間性である。
僕らはイジった。めちゃくちゃにイジった。初めてのスタジオでは全員で「お前はスケベエな顔をしている。スケベフラワーだな」などという、子供じみためちゃくちゃなことをずっと言っては笑い、練習どころではなかった。だんだんと濁っていく彼の顔を見ながら、僕は歌った。
「何も知らず眠る君・・・。」
某ライブハウスの店員は、昨年末語った。
「加入当初の彼のドラムは、目も当てられなかったよ!」

2011年11月、野兎が抜け、竹内太一、あやのという超曲者がKSGに加入することによって、彼の運命は大きく変わっていく。短ランを観に着け、秋田の片田舎、夕暮れの野球スタンドで童貞を捨て、女を巡って河原で決闘をしたあの頃にはもう戻れないのだ。

ある日、高円寺の居酒屋「大将」で作戦会議をしていた僕ら、ふと口に出してしまった。
「花ちゃんのドラムには色気が足りない」
「ナンパでもしてきなよ」
負けず嫌いでプライドの高い彼は「わかった」と立ち上がり、町に消えていく花田。
すぐさま通りかかりの女の子にメールアドレスを渡し、一週間後連絡が来るという奇跡が起きるも、飲みに誘われたときに一緒に連れていった登坂にツバをつけられてしまうという失態を犯す。
文化と繁栄の代理戦争を彼らの戦いの中に見た。
その後、辺見えみり似のGカップの女の子をナンパし、ポエムのようなメールで告白されるも、彼は前しか向いていなかった。女にうつつを抜かしてる場合じゃないのだ。君は俺のドラムに色気というスパイスを振りまくためだけの存在だったのさと言わんばかりの勢いで、辺見えみりを振った。
その間に彼のドラムに色気が生まれたかといえば、僕にもわからない。


ここで彼の名言をいくつか紹介していこうと思う。

「七尾旅人よりニヒルに笑いたい夜だってあるんだよ」
「ブスにも色々あるんだな。よくわかんねーけど。」
「ブスに5千円渡したら泣きやんだ」
「最近、ブスにしか欲情しない!」
「女は劣等生物だ。家事だけしてろ!」


と、かなり政治色も男尊女卑の思想も強い彼ですが、その思想に芯があるかといえばそうでもなく、しかし軍艦にはかなり詳しく、艦隊コレクションをやっていないにも関わらず提督たちと艦隊の話ができるレベルにまで達している。

あと、なんだか急に妙に非情なところがあったりする。
僕が一番傷ついたのは、誕生日プレゼントにあげたパールのスネアドラムが、未だにslumberlandのベーストモミの家にあるということだろうか。

もう語ることないと思う。
イケメンでいいやつです。雑。
次はたいちね。

楽曲解説
④ミラーボールブルー
男女掛け合いボーカルの曲を一曲作りたくて、ボツにした5曲ほどの中からいいところだけ抜いてつないだりとかして、ツギハギだけどうまくまとめれたかな、といった感じ。
最後の太一のギターメロがとても秀逸で、ここだけは毎回自分で聴いていても少し泣きそうになる。
カオシレーターでリズムを入れたりして、遊び心も入ってます。
ノイジーでポップで、抜けるところも抜けて、男女ボーカルで、ROLLの中で一番バランスのいい曲かもしれない、実は。
PV候補曲でもありました。


⑤高円寺
KSG初期からわりとやり続けている曲。
NOT LOVE epにも入っていたけれど、当時のテイクよりテンポが少し速めで、鍵盤はおとなしくなり、ノイズギターを少し重ねた。
特筆することはないけれど、④ミラーボールブルーのあとに⑤高円寺が入っているっていうのは、このアルバムの中では個人的にちょっとウマイとこだったと思ってます。

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