2014-11-30

解散について

2014年11月19日水曜日、衆議院が解散するだの女子トイレ盗撮だのニュースがテレビで流れているのをぼんやりと見ていた。
そのあと、友人とコーヒーを渋谷道玄坂の喫茶店に飲みに行き、なんとなく何も喋らずふと思ったのが、カミイショータグループの解散についてだった。

どこもかしこも、いつだって、なにかしらのバンドが口にする解散という言葉を、自分の名前を冠にした自分のバンドが口に出す日がくることはあまり想像はしていなかった。
僕が曲を作って、それを何人かで演奏し、僕が歌っていればそれは誰が後ろにいようとカミイショータグループというものではあるのだろうし、僕が音楽を続けていくのであればその解散という2文字は、側から見たらいちいち解散などと口にする必要のないものなのかもしれない。

カミイショータグループは2015年1月14日のUFOクラブの演奏をもちまして、解散することとなりました。
カミイショータ、原田秀治、あやの、はなた、竹内、この5人が揃ってステージで演奏することは、もう2度とないでしょう。
解散の理由なんてものはなく、僕がこのバンドを辞めたくなってしまったからというだけ。大切なオモチャが壊れきって
しまう前に、箱の中にしまって置きたくなるような気分。

僕は常々一部の友人には、今のメンバーがひとりでも欠けたらカミイショータグループはやめる、と言っていた頃があった。
ギター竹内が抜けると言った時、まず最初に解散という言葉が頭を過ぎったが、僕たちはまだリリースをしたばかりだったし、お世話になった人たちに一ミリも恩返しをできていない、まだやめてはいけないと思い留まり、新しいギターを探すことにし、募集もかけた。ギターを弾きたいという人からも、連絡がきていた。

バンドっていうのは、最高のテンションをどれだけ維持できるかというところに命の長さがかかっているとずっと思っていて、僕ら5人のテンションのピークは、レコーディングの終了と同時に過ぎていた。レコーディングが終わって、僕から見たら、どんどんダメになっていく一方だった。テンションと温度がどんどんズレていくのを感じた。
メンバーに不満はもちろんある。前もあったし今もある。あいつらだって、僕にたくさんの不満を抱えていると思う。そんなの人間同士が5人も集まっているんだからしょうがない。不満さえも認め合ってやっていくしかない。僕らは一緒にバンドをやっている以上は友達なんかじゃないし、ちょっとやそっとの不満で関係性を放棄したりなんかできない。
5人の楽しいこととかつらいこと、友人たちの声、あと多額のお金(笑)、それら僕らの2年間の全てが詰め込まれたのがROLLというアルバムで、このアルバムは紛れもなく5人で作ったもので、もはやカミイショータグループっていうのは僕だけのものではなく、この5人のものになっていて、他の人間がこの中に入り込む余地なんていうものはもうなくなっていた。
他の人をメンバーとして迎え、マラソンで疲れきった中、栄養ドリンクを気休めに飲むようなズルズルした音楽なんてやりたくなかった。

僕が解散を決めた一週間後、ドラムの花田からも脱退したいという連絡がきた。彼が口に出さなくても、僕はそう思っていることは少し前からわかっていた。
僕はまだメンバーに解散を決めたことを伝えていなかった。たぶん、僕が先に解散を決めていなかったとしても、遅かれ早かれこういう結果にはなっていたと思う。カミイショータのグループなんだから新しい人を入れればいい、というわけではない。そういうことが出来る時期はとうに過ぎていた。


正式な解散ライブみたいなものは行いません。
お誘いいただいていた1/14のUFOクラブが最後です。このあたりが、5人で演奏をするテンションを維持する限界のラインだと判断し、それ以降お誘いいただいていたライブはソロ、もしくは僕とあやののデュオで帳尻を合わせて出演することになるかと思われます。
カミイショータソロも、決まっているものが終わり次第、活動を停止し、新たに動かすバンドの準備に入ります。
音楽はやめません、しぶとく。

2010年10月から約4年、応援していただいたみなさまには感謝と謝罪の言葉しか出てきません。
この悔しさと悲しさを糧に力を蓄え、何らかの形でお返しできるよう精進したく思います。
ありがとうございました。

カミイショータ

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