2013-09-08

130908

いい音楽やいい音って一体どんなもんなのかと、まあバンドとかやっていればそれなりに考えるものなんだけれど、その辺にいる音楽だけでご飯を食べることかできているミュージシャンにでさえそのテーマは半永久的につきまとうもので、僕のようなまだアルバムデビューすら果たしていないバンドマンにとっては遥か遠い真理にすら感じるものだ。

この一年十ヶ月で制作したアルバムについて話すと、まず第一に入れたい曲をできるだけ入れつつ、それがどれだけタイムが長くなろうとあっという間に終わったように感じるような物が作りたくて、一応そういうマジックは仕掛けたつもり。
僕の思う名盤っていうのは、ざっくり言うと捨て曲がなくて、あっという間に終わって、ちゃんと流れを感じることができて、曲間で感動できるものなんだけど、それらは個人的には達成できたつもり。
あとは個々の感想に委ねる他はない。

なんていう無責任な言葉でまとめてはみたけれど、それぞれ好みの女の子や男の子が違うように音楽だって同じで、それぞれの好みという突き放した言葉に不甲斐なくも寄り添って考えていかなければいけないのは悲しい事実で、そのそれぞれにきっとあるであろう共通項を見出していく行為こそがポップってことなんじゃないかと僕は思う。
そのポップの方法論も人それぞれ、きりがないね。

僕が、というか、僕らKSGが曲を作っていくうえで1番モヤモヤしたりむしゃくしゃするのが、曲のメロディーが云々やら上手にできるかとかよりもアレンジというか、構成というか、欲しい音を欲しい時にどのようにして出していくかとか、どこで音を抜いていくかというところなんだけど、これが本当に難しい。
なまじ楽器がうまかったり、音楽の基礎的な勉強をしてきていればうまいこと口で説明することができるのかもしれないけれど、その辺の教養が皆無の僕は、ああだこうだみんなでやりながら、じっくりと時間をかけて熟成していくしかないわけ。
ギター竹内、ベース原田、ドラム花田は楽器はそれなりにうまいんだけど、欲しいところで欲しい音を出したり、抜くとこ抜いたりというのがあまりできなくて、ここをうまいことやらせるのに本当に時間がかかる。あやのちゃんは鍵盤が特別うまいわけではないけど、意外と欲しいところに欲しい音を出してくることが多い。

僕にはとくに、下手くその美学みたいなのは実はなくて、演奏なんてうまければうまい方が良いに決まっているんだけれど、それでもうまい人には絶対できないことというのもあったりするもので、下手くそな演奏っていうのには、感情論ではあるけれど、やってやるぜみたいなひりつくような緊張感が確実にあるんだよね。
上手にこなすような演奏をしてしまうと、観てる方もこなすように観てしまう。
明日死ぬつもりで毎回ライブをやっているなんてわざわざ口にする人はあまり好きじゃないけれど、そのまま死んでくれ!と言わんばかりの演奏をやっぱり観たいと思ってしまう。

いい音楽って、素敵な女の子と街で恋に落ちてしまうように、凄く偶発的なもので、その時の気分とか、天気とか、一緒にいる人とか、機材の調子とか、他にも色々あるんだろうけれど、そういった様々な状況が偶然にもマッチしちゃって、ふと生まれるようなものでもあると思っていて、自分の持つ色んな理論とか感覚を詰め込んで作るなんていうのは大前提なんだけど、そこにさらにそれらの偶然がぶつかった時にできるものなのかしらと、長々書いたけど全然考えがまとまらないから今日はここまで、、、。

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